年末年始の鎌倉は、全国有数の初詣スポットでありながら、場所や時間帯を選べば、驚くほど落ち着いた雰囲気の中で参拝ができるのが特徴です。
昼間は多くの参拝者で賑わう社寺も、早朝や夜間には空気が一変します。
冷えた空気の中、静まり返った境内に足を踏み入れると、
自然と背筋が伸び、新しい一年を迎える心の準備が整っていきます。
掃き清められた石畳、灯りに照らされた社殿、ゆっくりと手を合わせる人々。
鎌倉の初詣は、単なる年中行事ではなく、一年の区切りをつけ、新たな気持ちで歩み出すための大切な時間を与えてくれます。

鎌倉の初詣の特徴 ――「どこへ行くか」より「どう過ごすか」
鎌倉の初詣は、一か所に集中するのではなく、目的に応じて選べるのが大きな魅力です。
- 王道でにぎやかな初詣
- 景色と行事を楽しむ初詣
- 静かに心を整える初詣
それぞれに合った寺社があり、自分のスタイルで新年を迎えることができます。
定番の初詣スポット
【鶴岡八幡宮】
――鎌倉のシンボル、本格的な初詣を楽しみたい方へ
源頼朝ゆかりの神社として知られる鶴岡八幡宮は、毎年約250万人が訪れる全国有数の初詣スポットです。
ご利益
- 厄除け
- 勝負運
- 商売繁盛
- 交通安全
年末年始の参拝時間(令和7年)
- 12月31日~1月2日:24時間参拝可能
- 1月3日:0:00~20:00
- 1月4日以降:6:00~20:00
段葛の参道や大石段、本宮へと続く景観は、「日本の正月らしさ」を強く感じさせてくれます。三が日は大変混雑しますが、夜間や早朝の参拝を選べば、比較的落ち着いてお参りできます。



【長谷寺】
――景色と祈りを大切にしたい方へ
十一面観音で有名な長谷寺は、初詣と観光を同時に楽しめる寺院です。
ご利益
- 縁結び
- 厄除け
- 無病息災
年末年始の見どころ
- 大晦日深夜の自由拝観(23:00再開門)
- 除夜会・修正会・万灯祈願会
- 約6,000個の祈願ローソクが灯る幻想的な光景
天候が良ければ、見晴台から初日の出を拝むこともできます。
鶴岡八幡宮より混雑が穏やかなため、雰囲気を大切にしたい方におすすめです。



静かに迎える新年 ―― 北鎌倉の禅寺
【建長寺】
鎌倉五山第一位の禅寺。
無病息災・開運のご利益があり、広い境内で落ち着いた参拝ができます。
【円覚寺】
洗練された禅寺の空気が漂い、一年の始まりに心を整える初詣に最適です。
どちらも鶴岡八幡宮ほど混雑せず、大人の静かな初詣を求める方に向いています。
その他の穴場スポット
- 本覚寺
商売繁盛の「鎌倉えびす」で有名。初えびすの賑わいが楽しい。 - 銭洗弁財天宇賀福神社
お金を洗うと増えると言われる金運スポット。新年の金運祈願に人気。 - 佐助稲荷神社
赤い鳥居が連なる幻想的な参道。出世開運のご利益。
年末年始の鎌倉観光を楽しむコツ
- 初詣は夜間・早朝を活用
- 昼のピーク(10~15時)を避ける
- 初詣スポットは1~2か所に絞る
- 防寒対策と歩きやすい靴は必須
「全部回ろう」とせず、余白を楽しむことが、年末年始の鎌倉らしい過ごし方です。
泊まってこそ味わえる、年末年始の鎌倉
大晦日の夜間参拝、元旦の早朝、静かな路地。これらは、宿泊しているからこそ無理なく体験できます。
朝の澄んだ空気の中で歩く鎌倉は、日帰りでは味わえない特別な表情を見せてくれます。
まとめ ―― 鎌倉で迎える、心を整える新年
年末年始の鎌倉は、にぎわいと静寂のどちらも選べる、懐の深い街です。
- 鶴岡八幡宮で王道の初詣
- 長谷寺で祈りと灯りに包まれ
- 禅寺で静かに一年を始める
自分のペースで新年を迎えたい方に、鎌倉はきっと、優しく寄り添ってくれるはずです。
